利益から営業キャッシュ・フローへ橋を架ける

利益が出ても現金が減る理由を読む

30秒要約

売上計上と入金、費用計上と支払の時期は一致しないことがあります。純利益から、非現金費用と運転資本の増減を調整し、事業が生んだ現金を確認します。

公開日:2026年8月18日 更新日:2026年8月18日

仕事の場面

こんなときに使う

A社は純利益800万円を計上したのに、現金が100万円減りました。社内では「利益の数字が間違っているのでは」という声が出ています。

考える順番

手を動かすステップ

  1. 非現金項目を戻す

    減価償却など、利益を減らしたが当期に現金支出がない項目を調整します。

    残すもの:利益からの第一調整

  2. 運転資本の増減を見る

    売掛金と在庫の増加は現金を使い、買掛金の増加は当期の支払を後ろへずらします。

    残すもの:営業CFへの影響額

  3. 投資と資金調達を分ける

    設備購入、借入、返済を営業活動と混ぜずに確認します。

    残すもの:現金減少の用途別説明

例で確認する:800万円の利益が100万円の現金減へ

状況

A社は減価償却400万円、売掛金増600万円、在庫増600万円、買掛金増500万円でした。

考え方

営業CFは500万円です。そこから設備投資1,000万円を払い、借入増と返済の純額400万円を調達しました。

結論

利益は事業成果として残りつつ、在庫・未回収代金・設備へ先に現金を振り向けたため、現金が100万円減りました。

よくあるつまずき

  • 売掛金の増加を売上成長だけの良い兆候と見なし、回収条件を確認しない。
  • 設備投資による現金減と、本業の赤字による現金減を同じものとして扱う。

3分ミニ演習

純利益から現金増減までを四則演算でつなぎます。

  1. 非現金費用を足し戻す。
  2. 売掛金・在庫・買掛金の増減を反映する。
  3. 投資CFと財務CFを加える。
回答例を見る(先に自分で考えてから開く)

800+400−600−600+500=営業CF500万円。500−1,000+400=現金100万円減。利益と現金の差は、運転資本と設備投資の先行による。

参考・出典