
「比べる」力が、そのまま「決める」力になる一冊。
正解のある問題を解く力は、学校でたくさん練習します。でも、これから先、お子さんを本当に待ち受けているのは「正解のない問題」の方です。進路、友達との関係、部活と勉強の両立――大人になっても、私たちは「絶対こう」とは言えない場面で、何度も決断を重ねていきます。そんなとき、「なんとなく」で決めてしまう子と、「一度、数字で比べてから決める」子とでは、納得感も、あとで後悔する少なさも、大きく変わってきます。
本書が育てたいのは、複雑な計算ができる力ではありません。むしろ逆で、「分からないことがあっても、それでも自分なりに納得して決める」力です。感度分析、期待値、シナリオ分析――ビジネスの世界で使われる考え方の「型」を知っているだけで、同じ「分からない」状況でも、決断の質はまったく変わってきます。
本書は、前作『新聞部、うわさの答え合わせ。』で新聞部員として活躍した遠藤みなみが、中学校に進学し、学校行事を仕切る「行事局」の一員として奮闘する連作物語。文化祭、体育祭、修学旅行――1年間、正解のない決断が続くなかで、1話読み終えるたびに、「数字を使って納得できる決め方」が1つずつ、主人公と一緒に読者の手元にも積み上がっていきます。
ものがたりの舞台
ひばり中学校・行事局。前作から続投のみなみと、データ好きで冷静な相棒・森大和は、「その数字、比べてみた?」が口ぐせの新しい顧問・西野先生、しっかり者の3年生部長・宮本先輩に導かれながら、1年間の学校行事を仕切っていきます。前作を読んでいなくても、単独で楽しめる1冊です。
- 第1章「平均だけじゃ、分からない」――満足度アンケートの平均は3.8点。「去年と同じくらい」だと思っていいの?
- 第7章「買う? 買わない?」――テントを買えば売上10万円は堅い。買わなければ、晴れれば10万円、降れば4万円。さて、どっちを選ぶ?
- 第17章「決断ノート、次の1年へ」――1年間で積み上がった13枚のカードを、みなみたちが次の代へ手わたす日
本書の特徴
- 全17話の連作ストーリー形式:感度分析、期待値、シナリオ分析、ゴールシークなど、ビジネスで使われる「決める技術」を1話につき1つ、物語の中で自然に習得
- 積み上がる「決断ノート」:習得した決め方ツールがカードとして1枚ずつ増えていき、後の章で「前に覚えたあの道具」として再登場。学びがその場限りで終わらない設計
- 各話末に「あなたが局員なら?」ワーク:もし自分が行事局のメンバーだったらどうする?を考える選択式+自由記述のミニクイズ
- 各話末に「おうちの方へ」コラムを全話収録:説教くさくならない、家庭でそのまま使える声かけ例つき
- 巻末に13枚の決断ノートカード総まとめページ:1年間の学びを一覧で振り返れます
- 前作『新聞部、うわさの答え合わせ。』を読んでいなくても楽しめる、独立した1冊で完結
高校受験・データ活用力にもつながる力
本書が扱う「複数の選択肢を数字で比較する」「確率を踏まえて判断する」「目標から逆算する」といった考え方は、高校受験の記述問題や、学校で広がるデータ活用・探究学習が求める力そのものです。知識の暗記だけでは届かない「数字を使って自分で考え、決める力」の土台づくりに、物語を楽しみながら取り組めます。
対象年齢・読み方の目安
- 対象年齢:中学生(中学1〜3年生を主軸に、高校受験を意識するご家庭のお子さまにもおすすめです)
- ボリューム:プロローグ+全17話
- 読了時間の目安:1話あたり10〜15分。毎日1話ずつなら3週間ほど、一気読みなら数日で読み切れます
- 使い方:基本はお子さまおひとりで読み進められる文章量です。「おうちの方へ」コラムは保護者の方向けに、ワークは親子の会話のきっかけとしてもお使いいただけます
正解のない時代だからこそ、「その数字、比べてみた?」と自分に言える子に。決断ノートを1枚ずつ増やすうちに、いつのまにか一生ものの「決める力」が身についている。そんな1年間を、遠藤みなみたちと一緒に。
目次
プロローグ
- 「それ、確かめました?」行事局、はじまる
前半:疑う基礎編
- 1. 平均だけじゃ、分からない
- 2. ざっくりでも、まず見積もる
- 3. 「絶対そう」を、数字で確かめる
- 4. 「絶対」なんて、実はない
中盤:比べる応用編
- 5. 何が一番、効いてるんだろう
- 6. 効きめランキングを作る
- 7. 買う? 買わない?
- 8. 「期待」を、数字にする
- 9. 石橋を、叩いて渡る
- 10. 少なめ、普通、多め
- 11. ゴールから、さかのぼる
- 12. 今は決めない、という決め方
- 13. あえて、反対意見を集める
終盤:問う発展編
- 14. 気づいたら、自分で調べる
- 15. AIに聞いてみたら
- 16. 想定外を、想定する
- 17. 決断ノート、次の1年へ